2022年8月26日(金)~27日(土)1泊2日の日程で、能登半島九十九湾周辺と、お隣の真脇遺跡にて森と海つながり発見SDGsスタディツアーを行いました。モニター参加者13名とスタッフ3名、協力していただいた多くのみなさんのおかげで、興味深く楽しい学びの体験ができました。のと海洋ふれあいセンター、ホテルのときんぷら、真脇遺跡縄文館、グリーングラスのみなさん、ありがとうございました。
集合場所は、能登半島九十九湾そばにある”のと海洋ふれあいセンター” ここからツアーのスタートです。
荒川亮介さん(のと海洋ふれあいセンター職員)から、海の生きものと今回のツアーの主人公である”アカテガニ”について、お話を伺いました。お話の後、磯へおりて、8月後半の海の中へドボン。海の中にも森が広がっているように見えました。海藻の森です。生きものたちは、忙しそうにしているものやのんびり屋さんと、多種多様。能登の里海の豊かさを感じます。
「小さな恐竜の足みたい」初めて出会う生きものに興味津々です。青く綺麗なヤドカリを見つけ、この生きものは何か?を調べる方法を教えてもらいました。
いよいよ暗くなるのを待って、ナイトハイクへ。アカテガニとの遭遇に心わくわくです。観察にはアカテガニを守るために私たちが配慮することを確認します。生態系や他の生きものへの畏敬の念を持ち森へ入らせていただきます。
森の入り口から、数メートルほど。足元からカサコソと落ち葉を踏む小さな音が。いました!いました!赤いカニ。小さいのから大きいのとサイズもいろいろ。どのカニの甲羅にも、にっこりにこにこのにこちゃんマークが。なんて愛らしい。
時間がたつのも忘れ、アカテガニとの時間を過ごします。
お腹にはたくさんの卵を抱えた雌のアカテガニ。大潮の晩に、ゆっくりゆっくり山からおりてきて、海のそばへ移動し、やがて、海の中へはいります。全身を秒速で震わせ、卵を海へ放ちます。
夏の夜、満天に輝くあまたの星たち。今さっき海へ放たれた、たくさんの卵のひとつひとつの命の輝きと重なって心にひびきます。2~3万もの卵を海へ放ち、その卵が成長し、幼生からカニへ変化しやがて陸へ戻ってくるのは1匹か2匹と聞いて、命あることは「奇跡」であることを発見しました。
生まれてきてくれてありがとう。育ってくれてありがとう。
二日目は、「森」へフォーカスし、ご先祖さまからいただいた山・森を手入れし、木を伐り、片付け整理して守っている桔梗三千雄さんのクラフト工房「グリーングラス」へ。当日は三千雄さんの奥様の園子さんがお出迎えしていただき、グリーングラス仲間のさわちゃんこと、澤一博さんと一緒に山・森の利用と保全についてのお話を伺いました。グリーングラスでは山の整備で伐った木の皮をむいて磨いてつるつるにし、クラフト用の材料やオブジェにしています。三千雄さんからお子さんたちへプレゼント。大切にそばに置いて触って感じてもらえたらうれしいです。
縄文時代からこの土地の人たちは、自然を征服するのではなく、自然とともに生きてきました。日本人のDNAとして今日も私たちに引き継がれていることです。自然のものすべてに神様がいるという私たちの自然観を再認識しました。時間のつながり、生きもののつながり、場所のつながり、人と人のつながり、すべてがつながり、私たちの命がつながっています。持続可能な地域社会へ今私たちができることを考え行動へつなげていけるように。一人ひとりの心の中に、小さなアカテガニが命をつないでいることを夜空の星を眺めたときふと思い出してくださいね。
能登の自然にふれて、楽しく学びあう小さな体験ツアーでした。
<参加者の声>
・ぜんぶ、ぜんぶ、楽しかった!
・いろんな人と感じたことを共有することで新しい発見や気づきがあって、それもまた楽しかったです。
・この時期にしか体験できないことができてラッキーです。
・こんな小さなカニが宇宙を知っているなんて。
自然の神秘を新たに感じました。
・この命があるというだけで奇跡なんですね。
・カニが愛おしい!がんばって!って、心の中でエールを贈っていました。
体験を希望する方はこちらをご覧ください。